2011年01月05日

ノイズ?!

明けましておめでとうございます花火
上田です。

私はこれまでの人生の3分の1ほどをアメリカで過ごしてきたのですが、滞在中にアメリカ人親友からあるプレゼントをもらいました。アメリカ人はよく自分の車にジョーク・ステッカーを貼ったりするのですが、親友がくれたのもそのひとつ。内容は「I LOVE AIRPLANE NOISE!!」でした。Noise(ノイズ)とは「騒音」、つまりは不快な音になりますよね。「飛行機の騒音が好きだ」と言い切るこのステッカー、飛行機好きにあげるものとしてはナイスGOODなジョークだと思います。

そもそも飛行機の騒音ってどこから来るのでしょう?

エンジン?

もちろんそれも音源のひとつです。
しかし、レシプロ機(小型のプロペラ飛行機etc.)のエンジンは構造上それほど最新の自動車エンジンと変わりません。ところが、自動車エンジンは飛行機のそれと比べて静かですよね。(一部自動車エンジンは整備不良でやかましいのもありますが・・・汗 ですので、レシプロ機に限っては、技術的にエンジンそのものから出る音を小さくするのは可能です。それでも軽飛行機が飛んでいる姿を見ると必ず目立つ音が聞こえてきますよね。

というのは、エンジンではない部分からも音が出ているからなんです。

まずは下のビデオを見て下さい。



グライダーのローパス(ハイスピード低空飛行)の様子なんですが、グライダーがカメラの前を通り過ぎるときにジェット機が飛んでいるかのような音がしていますよね。これ、後から付けられた効果音ではありません。実際にグライダーから発せられている音なんです。

でも、グライダーってエンジンの無い乗り物ですよね。では、先ほど聞いて頂いたジェット機のような音はどこから聞こえてきているんでしょう?

実は、グライダーの翼や機体からなんです。グライダーが飛行中には、グライダー表面のいたるところで気圧の変化が生じます。その気圧の変化が音になったものがビデオで聞こえた音なんですね。

では、上記のレシプロ機の音はどうでしょう?
レシプロ機はプロペラをエンジンで回しますが、そのプロペラというのはまさしく空気に圧力差を生じさせて推力を得ます。そのため、プロペラ周辺での気圧の変化に応じて音が発生してしまうんですね。ヘリコプターの音がパタパタと独特なのも同様に、ブレード(ヘリコプターのプロペラ)の周りで圧力変化が生じているからです。

それでは、ジェットエンジンに関してはどうでしょう?
ジェットエンジンそのものから出る機械音もあるでしょうけれど、実はその排気音がほとんどなんですね。というのは、ジェットエンジンは空気を圧縮して後方から排気ぶーんすることによって推力を得ますが、その圧縮空気が周りの空気と交わったときの気圧差が音を生じさせてしまうのです。

これらの理由により、飛行機と音はどうがんばっても切り離せない仲なんですね。その中で、どれだけ音を小さく下出来るかというのを、科学者たちは懸命に模索しているわけです。

飛行機にはこれらの音源以外にも色々な音の主がいるかとは思いますが、次に飛行機やヘリコプターを見る機会があれば、「あれは気圧の変化によって生じている音なんだ」って見てみると面白くないですか?アップ


ちなみに私が上記ステッカーをもらったときには、「飛行機の音は僕にとっては騒音じゃない!ムカッ」って熱弁したことを思い出しますニコニコ



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